« 桜 | メイン | まだ終わらない花粉症 »

スタート命

diapo_395.jpg

開幕戦と同じ3人が表彰台に立った第2戦マレーシアGPを振り返ってみます。

まず、表彰台の3人ですが、一様に脱水気味ですね。
テレビで見てたら一番若いハミルトンが一番元気そうに見えたのですが、写真で見ると、3人とも大分お疲れです。

やっぱりセパンはフィジカルに厳しいサーキット。
そして、高温多湿ということで準備万端で臨まなくてはならない1戦であるということが窺えます。
それでも今年は事前に4日間にも及ぶテストが設けられていたので、ルーキーのハミルトンにとっては順応し易かったと思われます。
あっという間にリタイアしてしまったエイドリアンでさえ、フリー走行で体力的消耗を感じたのではないかと思います。


diapo_302.jpg


タイトルに書いたように、今回のレースはスタートが勝負のタイミングであり、山場になったように思います。
ソフト側のタイヤを履いた第2スティントで上位陣のタイムが軒並み伸び悩んだことが、スタートが勝負の鍵となった要因の一つだったと思いますが、それはある程度想定し得たことです。


スタートから2コーナーを抜けるまでの一連の写真があったので、ちょっと見てみてください。

↑の1コーナーに向かうシーン。
まずはポールスタートのマッサに文句が言いたい。(一応応援しているので、。)
僕的にはトップで2コーナーを立ち上がれるチャンスをこの段階で放棄していると思うので、物凄く怒っています。(苦笑)
要するにアウト側のレコードライン方向にマシンを振るのが早すぎる。
遅らせれば、遅らせるほどアロンソの1コーナーへの進入角度が小さくなり、彼のブレーキングを早めることが出来るのに…この段階でアウトに行くと言うことは、ここからの加速で完全に彼の前に出る以外にトップをキープできるチャンスがない。
しかも、この段階での加速競争はやや劣勢だったので、彼にできるだけ早くブレーキングさせて、自分は一瞬のうちにアウト側にラインを変更してレートブレーキングしてアウトからマシンを被せるしかなかった。


diapo_305.jpg

ハミルトンとの攻防でも彼の状況判断能力の低さが露呈され、完全にアタマにきてしまって今年の応援はクビカ1本で行こうかと思いました。
解説するまでもないとは思うんですが、ブレーキングはコーナーを旋回可能な車速に減速するためにします。
でも、他車と競り合っている時は違います。
競っている相手の前に出るためにブレーキングを遅らせたり、抜かれないようにするために態と早めにブレーキングしたりして相手のリズムを崩させたり、逆に並ばれないようにするために遅らせたり、アウト側のクルマが切れ込んで来れないように真横にクルマを並走させたり…と色々なバリエーションがあって、それを状況に応じて使い分けるのですが、まぁハミルトンはその辺り、確実に天賦の才を持ち合わせていると言えます。
ですが、彼はルーキーです。
そのルーキー相手に手玉に取られてしまうんじゃ、チャンピオンなんて余程アドバンテージのあるクルマを手にしない限り無理です。
ということで、マッサには失望してしまいました。
最終的に彼がコースアウトした時のブレーキング、僕の見た感じだとコンマ5秒近く遅らせすぎです。
コンマ5秒って距離にすると多分35mくらいです。
マッサなら通常確実に1m以内の精度でブレーキングできるはずなんですが、オーバーテークするとなると状況判断が必要になり、彼の計算機は完全に壊れてしまっていたみたいです。
あのコーナーでハミルトンを抜くのは、彼が抵抗したとは言え、あの段階でのパフォーマンスの差を考えると、それほど難しいことではなかったと思うので、計算機の故障を招いたアロンソの逃げに対するメンタルな焦りが大きかったのかもしれません。
何れにしろ、30mもブレーキングポイントを誤ってはコース上に留まれるワケがないです。(あの3コーナーのコース幅は12mくらいか?)

汚れている路面を走ったんだから、早めにブレーキングを開始しても結果的にハミルトンに並べたはずなんですよ。

しかも、1度失敗して、冷静さを失っていたと思われる辺り本当にカッコ悪い。

あぁ、マッサ…立ち直ってくれよ。


diapo_307.jpg


まぁ、マッサのことはこれくらいで。(苦笑)
それにしてもなんで彼だけがあんなにタイヤがロックするのだろうか…F3でブレーキのコントロールに苦しんだ自分が言うのもかなりナンなんだけど、本当に直らない才能の欠陥なんだろうか?

はい、マッサの話は以上!!


で、もう1回最初のスタートの写真を見てください。
まず、この段階でBMWのクビカが1つ前のポジションからスタートしたニコの前に出ています。
そして、その2台の後ろにギャップがあって、トヨタの2台が後続のルノー、レッドブルに飲み込まれています。
よっぽどスタートのシステムのセットアップがあっていなかったか、2人してシグナル見てなかったか。(笑)
これはひどいな…と思いましたよ、流石に。
何しろ生放送のテレビではレース中に1度も、たったの1度も触れられなかったですからね…存在感がなさすぎますね。

そして、タクマの位置取り。
この段階でクルサードよりも前にいるのはロケットスターターの彼にとっては当然という感じなんですが、このポジション取りが上手いんですよね、彼は。
じゃなきゃ去年、非力なマシンで1ラップ目に何台もオーバーテークできません。

レコードライン上にいて、前がクリア。
これ以上ないです。


diapo_308.jpg


そして、ハミルトンに注目です。
スタート自体は平凡で、4番手キープが妥当と言えるスタートでした。

面白かったのは彼がリアタイヤをややロックさせてライコネンのインを奪ったことです。
通常スタート直後にロックするのは温まりづらいフロントタイヤなので、ブレーキバランスをリアに振っていたと思われます。
こうすることによって、フロントタイヤがロック→アンダーステア→最悪接触=リタイアのリスク&ペナルティのリスクを防いだ上でブレーキングを遅らせることができます。
実際彼はフラッとクルマが振られたのですが、大事に至らずライコネンをパス。
と同時にそのリアタイヤのロックをきっかけにしてアンダーステアの強いスタート直後の1コーナーを小回りすることに成功し、マッサの右リアタイヤのイン側にノーズをねじ込んで、彼のラインを制限、2コーナーでのオーバーテークに繋げます。(2つ目の写真参照)

この発想が天才だと思います。
アロンソが見せる「テクニック」とは違います。
僕にバトルの神と思わせたカート時代に身につけたのでしょうが、それがF1でできてしまうのが天才だと思わせられてしまう所以でしょう。

ここまで理解できたことを自分でも誇らしく思ってしまいますよ。(笑)


diapo_309.jpg


2コーナーに対して中途半端にマッサをブロックしようとせず、思いっきりアウトからラインを被せて抜き去って行ったシーンが↑ですが、鮮やかです。
自分はコース幅をいっぱいに使って、マッサにはそうさせず。
これこそが、マッサがアロンソに対してやるべきだったことなんですが…。

その後のマッサとの攻防はハミルトンにとっては朝飯前でしたね。
それがマッサに伝わってしまうくらい。


そうそう、スパイカーってスタートもダメなんだな…と思いました。(苦笑)


diapo_324.jpg


あの状況からクルサードがどうやってラルフの前に出たんだか???
ルノーは今年もスタートダッシュが効くってことがわかってよかったですね。
少なくても中段グループのクルマなら秒殺できるとわかったので、これで予選のプレッシャーが多少は緩和されるかもしれません。

フィジケラがしっかり走りましたし、コバライネンも相変わらず国際映像に使われてしまうようなミスを何度かしていましたが、8位で初ポイントゲットしました。
バーレーンではもう少し期待できるかもしれません、と言いたいところですが、冬のテストで大クラッシュしているので、あまり期待しちゃいけないと思います。


diapo_322.jpg


ここからは頑張ってた人を賞賛するコーナーですね。
そのトップは、A.ブルツです。
ニコが開幕戦で見せたオーバーテークも切れ味抜群でしたが、彼も今日はキレキレでした。
何とかポイントゲットさせてあげたかったという感じですが、予選でのトラブルが響いちゃいました。
開幕ではクルサードに撃墜されるし、ちょっとツキがないですね。


diapo_345.jpg


マッサの前でフィニッシュしたのは本当にスゴイ!
トヨタと交渉してるとかって書かれていましたが、ニック&ロバートの組み合わせはバランスもいいし、個人的にベッテルは使えないと思ってるんで、ハイドフェルド放出はマイナス以外の何物でもないと思います。
グロックもニックのレベルには程遠いです。
何しろクビカレベルじゃないと通用しない相手なんで、タイセン博士にはペーター ザウバーの助言を求めてもらいたいです。


diapo_367.jpg


2戦連続でエースと見られているバトンを上回りました。
ピットスタートだったし、バリチェロのレースペースってバトンより速い?
上位を争っているワケじゃないので、評価できないんだけど、応援しているバトンを押しているということは頑張ってるってことでしょ!(笑)


diapo_361.jpg


タクマvs.バトン。

見ていて悲しい…。


diapo_344.jpg


頑張りが結果に結びつかなかった2人。
特にニコは2戦連続ポイントゲット確実だっただけに凄く残念。

クビカの最初のピットストップは右リアのスローパンクチャーだったと思われる。
とにかくしんどそうに走ってたけど、とりあえず完走したのでいいダイエットトレーニングになったのでは?(苦笑)


               diapo_375.jpg


今日も、やれることは全部やる彼らしいレースでした。
その結果が優勝だったので、動物パフォーマンスが見られたのですが、ウサギでしょうか???

本当に強いチャンピオンです。

が、チームメートは優勝を狙ってるって知ってしまってどんな気分でしょうか?(レース後の無線がTVに流れた。)

丁度イギリスGPの辺りで追いつけ!が追い越せになっているかも知れません…

※追加
今回ジャン・トッドとライコネン、フラビオ・ブリアトーレとフィジケラが出席した記者会見があり、ブリアトーレがまず、自チームのドライバーを「フェルナンドとハイッキ」と発言し、「sorry!」を連発するというハプニングがありました。
しかも、なんとこの後にジャン・トッドがキミのことを「マイケル」と発言。
ブリアトーレが猛烈な勢いで「ほーら、俺だけじゃないんだよ!」と突っ込みを入れるシーンがあったようです。
ぜひ、映像が見たい。
2人のドライバーの反応が見たい。(笑)

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.hidetoyasuoka.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/128

コメント

はじめまして、40代になった、大昔にレーサー志望だったおやじです。安岡君のF-1解説、最高ですね。読んでてとても楽しめますし同感すること多々。安岡君もF-1なんて乗ったことはないだろうけど、F-3までは乗ってたんだから、ドライバー視点での思考などとても同感できます。個人的に応援しているのがマッサ、クビカっていうのもいいっすね。普段の日常も含めてブログ楽しみにしてます。できればまた、レーサーとして(自身の参戦レース)のブログが書けるといいですね。いろいろと努力しているとは思いますが頑張ってください。

おひさしぶりです。私も恐怖の40代に突入しました。。・゚゚・(>_<)・゚゚・。今回のF1解説いいですね~。ブレーキセッティングって素人には良く解んないところなんですよ~、それをどうゆう場面にいかすかも・・。また、某ライコ好き淑女を交えておしゃべりしたいです。個人的にはサインもいっぱい貰ったスー様に意地をみせてほしいかな。秀徒君がイベント(そりゃ当然レースも)に出ることがあったら、また応援に行きますね~。(^-^)/~ マタネッ

某ライコ好き淑女です。呼ばれたので乱入してみました。
追加部分は今日初めて読みましたが、笑えますね。ライコネンって、誰もが認める最速男で、現役で最高の年俸を貰ってるはずなのに、扱いがいまいち軽いのはどうして?
やっぱり、「オレにいい車を用意できなかったら、ただじゃおかないからな!」という迫力が、ドライバーには必要だということでしょうか?
ライコネンの新しい刺青を、アップで見たいなあ。

リクエストがあったので"べつやくメソッド"で書きます。

30% マッサのスタート1コーナーは同感。
20% ハミルトンの1コーナーは安岡の解説に感心した。
15% 最近俺がF1の感想書かなくなったのは、安岡の解説読んじゃうと自信が無くなるから。
10% バトンはタイヤマネジメントがうまくいってない?
10% BMWは安定してるなぁ。
5% シリープレートってそういう役目があったのね(AUTOSPORTより)。
5% ブリアトーレとジャン・トッドあからさま過ぎwww
5% やっぱり円グラフで書きたい。

ほんとにもう、ここのF1解説を読んじゃうとさ、自分のBlogに書く気力が無くなるんだよね。俺の解説なんかは、F1の表面をさらっとすくった程度だからさ。しかも地上波だし。
いつか、ここの常連の人たちで、F1のある週末に安岡家に乗り込んでCS観戦(安岡の解説付き)とかしたいなぁ。

あ~、マッサはポールから逃げる以外で勝てないのかなぁ~。応援してんだけどなぁ~。

magdaさんに「今年は秀徒くんのF1レポートが見れる♪」と言われたので、今回もハイテンションで書いてみましたが、3つもコメントをいただき、その甲斐がありました。(笑)


>YOUYAさん
こんにちは、F1「観察」について楽しんでもらえたようで、嬉しいです。(笑)

『ドライバー思考』というものについては、自分が考えて乗っているタイプなので、意外と他のドライバーよりも表現がスムーズにできるかもしれません。

ハミルトン、ニコ、クビカ、コバライネン、リウッツィについてはカート時代に走りを生で見ていますし、ライコネン、トゥルーリ、フィジケラ、バトン、デビッドソンについてはカート時代の映像を見ています。
その他の選手についてもF3以下のカテゴリーでの走りを見ていてキャラクターがわかっているので、考えていることがわかりやすく、解説し易いです。

クビカ、スーティルは友達なので応援していて、バトンにはカートレースを始めて間もない頃から憧れていました。(当時彼はカートの最高峰のレースを戦っていました。)
ハミルトンもヨーロッパにいるときには口を聞く仲ではあったので、応援していますが、昔から彼のレーススタイルが好きじゃなかった上にクビカのライバルだったので、それほどプッシュしていないのですが、ニコよりかは応援しています。(笑)

その3人とは今までに1度も同じレースに出ていないので、是非F1に乗って戦ってみたいと思っています。

因みにマッサを応援しているのは、昨年の急成長に今までの自分の姿を重ね合わせることが出来たからかもしれません。
僕も中盤から後半にかけて力をつけるタイプとして成長してきたんです。それがF3になった途端にできなくなってしまい、F1が遠くなってしまったワケですが…。
彼はデビューの時から走りが荒っぽくて全然好きじゃなかったんですけどね。(苦笑)

これからもお楽しみいただけるよう&逆に僕のレースを考察していただけるよう頑張ります!

>まめしばさん
お久しぶりです???
ピンときてません。。。、。(苦笑)

ブレーキのセッティングと言っても、おそらくF1でもドライバーができることは前後のバランスを変えることだけです。
昔よく予選でシューマッハがコーナー毎に調節していて、感動させられました。

簡単に言うと…というのも難しいのですが、フロントタイヤがロックしないギリギリのバランスが最も制動効率がいいので、通常はコンディションに関わらず、そのポイントを狙います。
でも、路面のコンディションやコーナー一つ一つの勾配や傾斜、バンプが変化するので、全てのコーナーに対して最良のバランスを一つに絞ることは大体のサーキットで不可能だと思います。
また、ドライバーよってはリアよりにするのが好みな人もいて(カートがリアブレーキのみのため、その感覚を維持したいようです。)その代表的ドライバーとして有名なのがハイドフェルドです。
僕も若干リアより、という方だと思います。

因みに物凄く大雑把なんですが、『雨が降ったらリアに3ターン』という古くからの言い伝えがあります。(笑)


レース、絶対復帰&復活しますよ。

>magdaさん
桜も散っちゃいましたね…。

ライコの扱いが軽いってことはないと思いますよ。
でもミハエルとジャン・トッドの関係は長く、深いですからねー。
しょうがないですよ。

ライコネンの刺青のアップASWEBに載ってたような気がします。(?)


>ぐっち
俺は、ぐっちの感想を楽しみにしてるのよ。
専門知識がメディアで扱われている部分しかない人がどこまでわかるのか?と。
そのわからない残りの部分を自分が解説できれば、と思っているので。
しかも、ぐっちの解説も色があって面白いし。(笑)


本当にもっと詳しくレースについて知りたい、考えたい人を集めてF1解説がしたいです。
お台場でF1の解説をした時には、関係者には中々好評だったので、またやりたいなぁ…と思っていたのですが、あそこだとトヨタの応援がMUSTですからね…何でもズバズバ言いたい僕としてはややつらいです。(笑)

因みに本当に安岡家に乗り込みたいという人が多かったら考えます。
実家もしくは周辺にいる限り、全戦生放送でTV観戦予定です。

もし人数が増えたらスポーツバーに乗り込むとか、そういう企画を作っちゃうとか、考えましょう!

…と言いつつ1人で真剣に見たかったりもしますが。(笑)

でも、これでもサッカーを見るとき程は真剣じゃないし、集中もしてないですからね。(爆)

リクエストがあればお応えしたいです☆

マレーシアGP面白かったですね。
最後の最後でライコネンがハミルトンを捉えるんじゃないかとドキドキしながら観てました。
でも冷静になって考えるとハミルトンは故意的にペースを落としていたのかなぁ?
地上波で観てたんだけど、解説者が「脱水症状になっているのでは?」みたいなこと言ってたので真に受けてしまったのですが…
でも、アレだけ差がついていたのだから無理してプッシュする事もないし、マシンに負担をかける事もないし…挙句マシン降りたら元気だし(笑)
秀徒君的にはどう思います?

いつもながら秀徒君のF1レポートはお見事です(^0^)ドライバー視点の解説は毎回「目からウロコ」です。
安岡家のテレビ観戦ぜひ参加させて欲しいです。
深夜時間帯放送のヨーロッパ戦もお昼寝してからチャリで駆けつけます!…って迷惑ですよね(^_^;)

>たろうさん

ハミルトンについては、故意にペースを落としたと言う感じではなかったと思います。
タイヤ(クルマ)が4輪とも滑ってしまっている映像が何度か写っていましたので、クルマのグリップレベルが低く最終スティントはドライビングに苦労していたようです。

ただ、無理して逃げることもなかったので、前でフィニッシュできればOKというスタンスだったと思います。

TV観戦会については現在のテレビのポジションが大人数での観戦に堪えないので、それを含めて検討中です。

大画面で見たいですね~♪
(笑)

コメントを投稿